ミスを防ぐ門番、誤植を見つける校正方法をマスターしよう
校正はミスが無いよう真剣にチェックしなければいけませんが、気合いや努力だけで校正精度が上がるものでもありません。
えんぴつでチェックしたという確認済みの線を引くなどして、校正作業の状態を見える様にしておく仕組みを作っておくと校正漏れを防げます。
校正紙が真っ黒に染まるくらいチェックを入れてもやり過ぎと言うことはありません。
校正の心得
紙面の誤字脱字や言葉の不統一などを探し出す校正は間違い探しゲームです。ただ紙面の中にいくつ間違えが入っているのかは分からないので正答のない気の抜けない作業になります。
校正は普通に読んでいただけでは確実なチェックはできません。文章を素直に読んでいって誤字があっても脳内で勝手に正しいように変換して読み取ってしまうことがあるためです。ミスを探し出すためには校正するためのやり方と意識が必要です。
文字は形で見る
文章を順に読んでいくと前後の内容から流れを把握できるので誤字があっても文の繋がりを補完して読んでしまい気づかないことがあります。よく知っている言葉ほど思い込みで補完してしまうのでどんなに大きな文字でも読んでいく方法で校正していくと見逃しが発生しやすくなります。
これを防ぐにはひとつひとつの文字を文章とは考えずに記号として形で見ることです。文字を意味と切り離してチェックしていくことで原稿との違う文字を見つけやすく確実性が上がります。
間違いがあると思ってみる
きれいにデザインされていても校正に回ってきた原稿はまだ制作途中のものです。必ず間違っているところがあるという気持ちで見ることが大切です。特に日付や値段といった数字の部分は間違ったまま印刷されたら死活問題になります。
この部分が間違っていたら制作したデザイナーに対してもきつく注意しておかないといけません。
複数人で見てダブルチェック、トリプルチェックの体制を作る
1人の目で見てもチェックできる精度には限界があります。また人によって誤字に敏感だったり文字の整合性に敏感だったりとチェックの得意分野があったりします。
デザイナーだから気づける点、編集だから気づける点、校正だから気づける点と役職によって見るポイントが違ったりもします。
校正精度を高めるためにはできるだけ複数人の目で校正を行うことが必要です。
見方を変えて見る
端から順にチェックしていくのではなく、ポイントごとに複数回に分けてみます。
まずは全体の統一事項をチェックし、言葉の統一性が必要な文字はその都度チェック、数字をチェック、その後細かい部分を見ていくといったように全体に関わることから細部へと校正を進めると重要な箇所は複数回チェックできるのでおすすめです。
紙面を逆さにして文字が記号にしか見えない状態にして校正することでもよいチェックができます。
見落としやすいところや間違えが多いところを知っておく
誤字になりやすい文字や変換ミスや文字化けが起こりやすい言葉を知っておくとが精度が上がります。また自分自身が見逃しやすい校正の弱点を知っておくことで対処が可能となり高精度な校正ができます。
校正の種類
校正の種類は大きく、素読み、突き合わせ、読み合わせの3種類があります。作業工程において最適な校正方法を行いましょう。
素読み
元原稿や資料などを一切使わずに、校正紙だけを単独でチェックする方法です。見るポイントになるのは誤字脱字や紙面内の文字の統一性といった文章のつじつまが合っているかのチェックになります。場合によっては日付と曜日が合っているかなど数字周りのチェックも行います。
突き合わせ
前工程の資料と出来上がったデザインの校正紙を一字一句突き合わせて校正します。初校なら入稿原稿と、直しなら前校の戻し原稿と追加資料などと突き合わせます。赤字の具合によって校正はハードになりますが原稿と合っているかのチェックになるので確実性が求められます。
読み合わせ
基本的に突き合わせと同じですが一人でチェックするのではなく2人1組で行います。ひとりが原稿を読み上げもうひとりがチェックすることでダブルチェックを行うことになり時間短縮になります。
校正の妥協
校正するにあたってあまりにも修正箇所がある場合には損害が起きないであろう文字修正はしないとすることも大切です。紙面の別々のページで「お一人様」「おひとり様」と表記が違っていても大問題になることは通常ないはずです。納期や校正の段階によって直しを入れることによって他のミスが起きることが想定される場合にはあえて必須の直しとしないことも考慮しましょう。レイアウトをずらす必要が起きたり文章の行数が変わってしまう場合などは要注意です。
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