見分けのつく色の数
何かを区別するときに色をつけることで見やすくなります。電車の路線図や場所の案内、料金表など要素の多いものを分かりやすく見せるために色は欠かせません。ただ、色の数が多くなると判別がむずかしい色が使われていたりもします。
複数の色を並べたときには他の色との判別がつけやすい適切な色が必要ですが、見分けのつけやすい色の数は実はそんなに多くはありません。確実に見分けがつけられる色の数は思ったより少ないのです。
はっきり見分けがつけられる色数はせいぜい10数色
基本色としてある青・赤・黄・橙・桃・緑・紫とその中間色、それに黒・白・灰・茶色を加えた色で視認性のある色が作れます。色相の紫〜赤、緑〜青の間は同一に見えやすくなる範囲なので、数を厳選してはっきり違うと分かる色が必要です。
連続した階調で見れば区別できる色も散らばった状態になったときには見分けが難しくなり、確実に違う色だと判別ができる色はせいぜい10数色になります。
配色サンプル
色の明暗やトーン・色相など、いろいろな色の組み合わせパターンで視認性や判別性を見てみましょう。
色相で並んでいれば見分けられる
色相順に色が並んでいれば、隣り合っている似た色でも色の差異は分かります。これがランダムに色が置かれた場合、判別に迷うようになる色が複数色でてきます。
点線で繋いでいる色はぱっと見た感じでは同じに見えやすい色です。色相で並んでいる状態なら区別できても、色の間に別の色があったり色同士に距離があったりすると色の違いが分からなくなり同じ色として認識してしまいます。
色の認識
色を色相順に並べたときに色と色の差がはっきりせず同化してグラデーションになっているように見える状態の色同士は位置が変わったときに同じ色と錯覚認識しやすいです。
少しトーンを変えた場合
同系色で並んでいれば色の違いは分かりますが、ごちゃ混ぜになると見分けのつかない色がでてきます。色を判別させるなら色相が被らないようにする必要があります。
少しトーンが違う程度の色だと散らばったときに同系色の色の見分けがつかなくなります。
色に明暗をつけた場合
色に明暗を加えた場合には区別できる色は増えますが明るい色と暗い色で強弱ができます。同じ位置付けのものに見えなくなり優劣がついて見えてしまうので、判別のし易さだけを考えるならトーンを揃えた色使いがベターです。
明暗がある色が散らばると目立つ色と控えめな色がはっきりしてきて存在に強弱がつきます。同列の情報を扱うのには向きません。
多くの要素を判別させるとき
色だけで判別させるのには限界があります。たくさんある要素の区別には図形を使ったサインや英数字を使う方法があります。
見分けがつかない色が使われていて判別に悩むくらいなら読んだら分かる文字情報の方が親切となります。
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