ロゴについて
ロゴは、ブランド構築に大きな役割を果たします。ロゴがあるのとないのでは認知の度合いが違います。文字よりも形の情報の方が脳にインプットされやすいので、人に知ってもらうためにあった方が良いのがロゴです。
「文字」と「図」をつかって表現されたのがロゴです。これがロゴの要素の全てです。どちらかだけでも成立します。日常で多くのロゴを目にしていますので、ロゴとして必要なものはだいたいの人はもう分かっていると思います。文字はロゴタイプとして加工するかキャッチコピーを入れるか、図はイラストやマークへと展開されます。
扱う要素が少ないので少しの技術があれば、作るだけならすぐに作れるのがロゴのデザインです。デザイン会社に入ったばかりの新人デザイナーが比較的最初にかかわれる仕事のひとつがロゴ制作だったりします。
ロゴはブランドを作る
人の記憶に残るアイコンとなるのがロゴです。日本のロゴといわれたら何を思い浮かべますか?国旗の日の丸が浮かびませんか?国旗はその国を代表するロゴです。
とくにロゴマークは一度認知されたらずっと覚えてもらえます。そしてイメージがついてきます。AppleやNIKEやMacDonaldのロゴマークは覚えていて描くことができる人も多いと思いますし、スターバックスや今治タオルも目に入ったらすぐブランドを認識でき、それが何であるのか分かります。
変わったところでは北海道の形がマークとして入っているとおそらく美味しいものって浮かんでしまうと思います。これもロゴのブランド力です。
逆にロゴが無かった場合、認知が薄くなります。ブランド名や店名を覚えてもらえず、あの場所にある雑貨屋さんとか服屋さんになります。飲食店が分かりやすくて、個人経営のお店でも店名で言えるお店と業種でしか覚えていないお店が浮かべられると思います。繁盛するのはもちろん店名がでてくる店です。
有名ブランドのロゴ
海外のハイブランドのロゴはフォントをそのまま利用しているものが多くあります。それもMacのパソコンに標準搭載されているフォントだったりします。
ルイヴィトンとドルチェ&ガッバーナはFutura、シャネルとフェンディはHelvetica、エルメスはGeometric、グッチはOptimaを加工することなくそのまま使っています。また、チョコレートのゴディバは現在はOptimaを使っていますが過去にはTrajan、Times Romanといったフォントが使われていました。
ルイヴィトンとゴディバのロゴを例として、ロゴとフォントを比べて見ます。上がブランドサイトのロゴで下がパソコンでベタ打ちしたフォントです(ブランドロゴの画質が悪いのは申し訳ありません)。おこなわれているのは文字間のスペースの調整だけだというのがおわかり頂けると思います。
世界的に知名度のあるブランドロゴは、元のフォントデザインのまま利用されているというパターンが多く見られます。グーグルやツイッター、フェイスブック、YouTube、アディダス、日本の企業でもトヨタやパナソニックなどなど、少し調べるだけで何のフォントを使用しているかはでてきます。
有名ブランドのロゴは同じ業種なのに同じフォントを使っていたりしています。でもロゴが似ているなといった感覚は出てきません。それぞれのブランドがオリジナルのロゴとして独立しています。シンプルな文字だけのロゴでも洗練させたらすばらしいロゴになることが分かります。
豆知識
ロゴに著作権は認められにくいものとなっています。とくに文字だけのロゴは。保護したいなら商標登録をするなどして商標権や他の権利での保護も必要です。
文字は著作物ではない
書体、文字には著作権が発生しません。独創性および美的特性を備えているものでない限り著作物に当たるということはできない、というのが著作権の扱いになります。情報伝達が目的とされる文字で、独占的な権利を主張するのは無理となっています。しかし、フォントの文字全てのセット、たとえばヒラギノ書体が入ったデータをまるっと他者が使えるようにと勝手に配布することは違法になります。
ロゴタイプ(文字だけのロゴ)が他のロゴと相当似ていても違法にはならなかったという裁判での判例もあります。
「いわゆるデザイン書体も文字の字体を基礎として,これにデザインを施したものであるところ,文字は万人共有の文化的財産ともいうべきものであり,また,本来的には情報伝達という実用的機能を有するものであるから,文字の字体を基礎として含むデザイン書体の表現形態に著作権としての保護を与えるべき創作性を認めることは,一般的には困難であると考えられる」。(東京高等裁判所平成8年1月25日判決、平成6年(ネ)第1470号)
ネーミングが同じとか他のことで違法となることはあるかもしれないですが文字はある意味では誰でも使えるように保護されています。
LOGO DESIGN
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