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週休5日でハッピーに暮らせる!大きな反響を呼んだ「20代で隠居」著者・大原扁理さんの気になるその後は?

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20代で隠居 週休5日の快適ライフ

週2日働いて月10万円以下で隠居。常識に囚われない暮らしが各方面で話題となった処女作「20代で隠居 週休5日の快適生活」の出版から4年。現在台湾在住の大原さんが一時帰国した今春、出版の後日談、そして待望の新刊について聞きました。

辞めたい人・働けない人から、精神科医まで、大反響

――出版から4年ですが、いまも反響が続いていますね。

大原:はい、働き始めてからの世代の人から親世代の方までたくさんの反響がありました。年齢や性別はさまざまですが、多いのはやはり20代、30代でしょうか。「この本を読んで仕事辞めました」という話は、ちょいちょい聞いています。つい最近も、今暮らしている台湾の空港で読者の方に話しかけられたのですが、「日本で働いていて家族もいるんですが、どうしても日本語教師になりたくて、仕事を辞めて来ちゃいました(笑)」と。

―─出版社には「あ、こういう暮らし方ってあったんだ!」という驚きの声がたくさん届きました。週5勤務は常識ではあるけれど、「こうやれば、ラクに生きられるんだな」と。

大原:そういう反響は多かったですね。みんな本当に気づいてない感じでした。「いざとなったら、仕事を辞めても、いくらでも生きていけるよ」ということを。「子どもがいて働かなくちゃいけない、でも病気で働けない」「生活保護で暮らしている」…。そのような人たちが「同士」みたいに感じてくれてるんでしょうかね。「こういう人がいるんだ」とか「独りじゃないんだ」という仲間意識を感じてくださってるのかもしれないです。私自身は「世の中に影響を与えよう」という意図は全くなくて、勝手に楽しんでいただけなのですが、そういう反応をいただくことが多いですね。

──いろいろな方にとっての「救い」や「気づき」にもなったんですね。

大原:予想外だったのですが、カウンセラーとか精神科医さんの診察所に置いてくださっているというのも、Twitterで何回か見かけましたね。「ああ、そういう読まれ方もするのか」と思いましたね。

――そして、20代の隠居と聞くと「無精、だらしない」というイメージもありますが、大原さんの隠居はその真逆。明るくて、創造的でハッピー。季節の野草を摘んで暮らしに生かしたり、スコーンを焼いたり、玄米を炊いたり…。女性誌の言うところの「丁寧な暮らし」ですね。

大原:そうかもしれませんね(笑)。確かに「丁寧に暮らしていますね」「おしゃれですね」と言われることはありましたね。

──清潔感があって、小まめな印象ですね。

大原:そうですね、片付けも好きですし、家事とか、マンネリズムを習慣にするのが好きなんですよね(笑)。

「最低月17万円」は、間違ってる
そんなに働かなくても生きていける

――本書には印象的な言葉がいくつもあります。「もしかして人生の8割しなくていいことでできてるんじゃないか」「消去法にしてみるといい」など大原流のヒントが見つかります。改めて伝えたいことはありますか?

大原:「伝えたいこと」「発信したいこと」っていうのは今も昔もないんです。ただ、声をかけるとしたら、「そんなに働かなくても、意外と生きて行けるじゃん?」ということでしょうか。いま、社会が「東京で一人暮らしをしていくときに最低でも17万円必要です」とかいう報道があったりすると、「何言ってるの?」って思うんですよね(笑)。「それ、メッチャ間違ってるよ、そんなにお金なくても、生きてはいけるよ」というのが、皆さんに伝わったらいいかなと思いますね。ただそれを人に勧めたりとか、押し付けたりする本ではないんです。

「この本を読んで隠居になりたい」ではなくて、「あ、私も自分の人生を生きよう」って思ってもらったら嬉しいですね。「隠居になろう」って思われても嬉しくはないですし、むしろ、ならなくていいですよ、って思いますね

僕がこの本を書き始めたのは28歳、発売されたのが29歳ですが、「基本方針」というか「幸せの基準」はずっと変わってないんですよ。世界中を放浪していたときも、生活スタイルは一緒だったんですよ(笑)。週3日働いて、あとは本を読んで、みたいな(笑)。だから生活スタイルが、場所とか国に依存していない、どこでも可能という感覚です。場所とか国に依存しすぎているライフスタイルって、つらいと思うんですよね。

―─納税や社会保険料については、一部批判もありました。

大原:そうですね。やっぱり収入が低くて税金や年金の支払いを免除されていたので――今は払っていますけれども――、一部からはバッシングと言いますか、批判的な声はありました…(苦笑)。
税金のことについては本にも書いていますが、お金がある時に払えばいいと思っていたので、別に払わないで済ませることに命をかけているわけではないのです(笑)。人生の全体でいくら払ったかと考えようと思っているので、そんなに焦ってもいないですし、今、目の前の税金を、今年支払えなかったからって、気にする必要はない。人生は長いし、今年収入がなくても、来年収入があれば、その時に払えばいいじゃない?って思っています。

似ているようで似ていない、ミニマリストの方々との違い

――ミニマリストの方々からも、反響が大きかったですね。

大原:ミニマリストの方々とは、似てるところと、違うところと、両方ありまして。最近、ミニマリストの方とトークイベントもさせていただいてご著書を読みました。私の場合は「ものがあるか、ないか」ということにフォーカスしているわけではないので、そのあたりは違いがありますね。ミニマリストにもいろいろあって、私も精神的にはある種のミニマリストかもしれないですが、「こうしなければいけない」ということは少ないです。

――道具に対しての感覚は似ていますね? ひげそりはバリカンでカットしているから買わなくていいとか。

大原:そうですね。ひげそりについてはミニマリストの方も自分でバリカン一つでひげから髪の毛まで剃るそうで、そこは同じです。違いについて感じたことは、ミニマリストの方々はすごくデジタルな印象でした。写真とか思い出の品とか全部捨てるんですけれど、デジタルで一応保存はしているみたいです。僕はデジタルで保存するという発想もなくて、本当に全部捨てたんですよ。写真や思い出を持ってなきゃいけないという感覚もないですし。

―─ミニマリストのなかには極端に映る方もいらっしゃいますが、大原さんの隠居スタイルは楽しそうですね。

大原:それを「抜け感」っておっしゃってくださる方もいて、その「抜け感」って何かなって考えてみると、別に「隠居」じゃなくてもいいと思っている(笑)。その「執着のなさ」っていうのが現れてるのかもしれないですね。「隠居」ということに執着がなくて、明日やめてもいいかなと思っていましたので…。ですから、爆発的に広がったりはしないんですけれども、なんかこう、まったりと読んで下さる方が多いのかな、と思ってますね。

皆、スルーしてますよね、
生活の中の面白いところを。

──―隠居は「一見、ラク」に見えますが、逆に、何も考えず働くのも「実はラク」という面もありますね。

大原:そうですね、都会の便利さや会社のシステムに乗ってる方がある種のラクさというものはありますよね。どちらにも「辛いところ」と「ラクなところ」がある。これまでは「働くことの辛さと、働かないことのラクさ」にしか、スポットが当たってなかったんです。実際に週に2日しか働かない生活をしてみたら、それはそれで、ヒマと時間が出口のない砂漠のように広がっているのって、人によってはすごくシンドイだろうなと(笑)。

―─外からの‶コンテンツ”に頼らずに、目の前の生活をこれだけ楽しみ味わい尽くせる…。ごはん一つ、起きたときの感覚一つを「楽しい」と思えることの発見は新しかったですね。

大原:皆、スルーしてますよね、面白がれるところを(笑)。でも子どもの頃は、みんなやっていた気がしますけれどね、ゲームとかもそんなになくて。ああ、でもいまはスマホとかがあるから違うのかもしれませんが…。

たとえば、何か書きものをするとして、ノンフィクションの本などは「取材」として「題材」をわざわざ「取り」にいきますよね、外へ。私の場合は、なるべく自分は動かず、感覚装置だけ発達させる。自分は動かず(自分や自分のライフスタイルの中に)面白いことを見つける…。そういうイメージなのだと思います。

「自分だけの慾」が減ってきて
「自分以外のだれかのために」に

―─本書に出てくるイギリス仕込みのスコーンは今も焼いているんですか?

大原:台湾の自宅にキッチンがないんですよ、意外だと言われるんですが(笑)。台湾は外食文化で屋台も多くて。だからスコーンは作ってないんですが、サラダとかは作ってますよ。台北市内のオーガニックファーマーズマーケットなんかに行って有機野菜やフルーツを買ってきて、サラダを作ったり、パンにはさんで食べてますね。

──オーガニックですか。わざわざ買いに行くのは意外と手間ですし、値段も高め。世俗的な物欲はなくても、趣味のよい慾やこだわりはおありなんですね。

大原:隠居してからは「自分だけの慾」があんまりなくなってきて、オーガニックマーケットに通うのも「こういう選択肢がずっと持続して社会にあったらいいな」とか、「有機農法の農家さんを応援したいな」という気持ちです。もう、ただ自分のためというよりは、もうちょっと広がってきていて、自分以外の誰かのためにもなること、そうじゃないと食指が動きにくいというようになってきましたね。

── 意識が変わっていったのですね。

大原:実は、今でも、出会った人にスクラッチ宝くじを配ってるんですよ。当たるときは、5万円くらい当たるんです(笑)。生活費は本の印税ではない分で稼いでるので、印税は年金や税金の支払い以外にあまり使い道がないんですよ。印税って、皆さんに面白がってもらってもらったお金なので、もらったときに「このお金は一体なんだろう?」って、思ったんですね、自分のお金じゃないような気がして…。それで面白がってくれた方々に何かのかたちでお返ししたら面白いなと思って、宝くじを買って配ってるんです。

―─普通は好きなものを買ったりしますが、物欲には興味がないのですね。

大原:そうですね、洋服もほとんど買わないし。このシャツも東京に住んでいた頃からずっと着ています(笑)。隠居する前はお金を人のために使うのが本当に嫌だったんですよ。でも、隠居してからは、別に自分の生活は充足しているし、それ以上お金あってもしょうがないなぁ、と。

今秋、待望の新刊は発売予定!
20代で隠居した人の「結果」も、
見せなきゃいけないと思っている

――今後のご予定は? 現在(4月20日)、新刊を執筆中とのことですね?

大原:生活に関してはノープランですが(笑)、新刊本は、今まさに書いているところです。リクエストがあれば、これからも書いていきたいですね。何かちまちま書いているのは好きなので。

―─ブログも変わらず人気です。この先も読者が大原さんの生き方をずっと追っかけていくことになりますね?

大原:そうですね。『20代で隠居』っていう本を出しちゃったもんですから、そういう人が50代で何してるの?というのを、見せなくちゃいけないと思っていて…(笑)。そういう責任は生まれてしまったなと思っているんです。野垂れ死んでるのか、それとも、50代でもハッピーなのか…(笑)。

――SNSでもそういう書き込みはありますね。「50歳になったら、お前、どうしてるんだ?」と。

大原:そうですね、その「結果」も、お見せしてしていかないと思っています(笑)。(了)

書籍情報

20代で隠居 週休5日の快適ライフ
大原扁理・著
2016年刊 1,300円+税
四六判 208ページ
K&Bパブリッシャーズ

著者プロフィール

おおはら・へんり…著述業。1985年愛知県生まれ。高校卒業後、実家で2年ほど無職で過ごした後、海外各国以上を放浪。帰国後、就職して23区内に居住。25歳で退職、東京郊外で週2日だけ働く週休5日の隠居生活をスタート。年収100万円以下で6年間暮らす。その暮らしを赤裸々に綴った本書が出版されると大きな話題となった。他の著書に『なるべく働きたくない人のためのお金の話』、『年収90万円で東京ハッピーライフ』。
大原扁理オフィシャルブログ https://ameblo.jp/oharahenri/

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